独特な 古文書●明治５年写　トーマスアンチセルが黒田清隆宛に書いた「札幌本府論」　２０丁　230505 和書

 アンチセルはワーフィールドより遅れて札幌入りをして調査に当たった。当方、先祖代々受け継がれ曽祖父蔵保管　小笠原　長時　古文書。その札幌本府の是非を論じた報文の冒頭において、「夫レ札幌ヲ開キ開拓使ノ本庁ヲ建ルノ論ナランニハ、課多ノ費用ハ敢テ厭サル所ナレトモ」と、本府を建設するに際して当然かかるであろう相当の経費の問題はさて置いて、本府としての札幌を検証している。美濃国全図　改正　（内題美濃国郡県人跡路程図説）　Ａ　岡田啓。
 最初に「其地ノ夏タル、暑気多カラス久シカラサ」る気象条件が第一に問題で、そのため食料生産に限界があり、冬初より五カ月間は南方より供給を受けざるを得ないことを指摘し、続いて、札幌近傍に一つとして良港がなく、その上冬季は氷海となって船舶の航行はできず、また馬車も積雪のため通行不可能となり、この寒冷酷寒と物質の供給不能との環境条件により、札幌は本府として不適と断じている。扶桑名所図会　初・二篇　狂歌。
 さらに「抑モ首府ナル者ハ国ノ中心ニシテ、府ニ事アレハ一国忽チ之ニ感応ス」るものであるから、「首府ハ天造ト人工トヲ以テ之ヲ堅固ニ為シ、独リ蝦夷地方ノミナラス広ク内地ト往来自在ヲ得セシムヘシ」と、本府の本質ヲ提示し、しかしながら「札幌ノ地位タル、能ク此等ノ事ヲ為シ易シトセス」とする。萬葉集拾穂抄　十冊（一～三、五～十、十四）北村季吟撰。その理由は、安全な良港も風波を避ける海岬もないため、兵艦を停泊させ砲台を構築することができず、またロシアは本道中央より近接の位置にあり、その船艦によって常に制圧される結果となる。【地租改正】『落地発見願書』明治十九年八月 中頸城郡 上広田村／新潟県知事 篠崎五郎 検地帳 古文書 村方文書 和本【24-0412-29】。このように「札幌ハ蝦夷全道及ヒ内地ト容易ニ往来スヘキ地ニ非」ざるゆえに、本府としてさらに不適とする。完品 大木篤夫著 恩地孝四郎装幀『危険信号』昭和5年アルス刊 函付初版本 直筆献呈サイン入（河井醉茗宛）。そこで、本府として札幌に替わるべき地を求めるならば、それは室蘭と根室の間の地であるが、しかしこの地方にも良全の地はない。先祖代々受け継がれ曽祖父蔵にて保管　　豊前　中津　　古文書。ここに再び、強いて本府を札幌とするならば、「室蘭港及ヒ太平洋ニ依リ百方以テ札幌ヲ内地ト連通セシムルヲ緊要トナス」として、第一に両地間に良全なる道路を築造し、次いで鉄道を敷設することが不可欠の条件であると主張するものであった。ｈ∞∞　和名類聚鈔　全20巻5冊揃い　発行年不明　古文書　古書　/C05。出典：札幌市中央図書館

トーマス・アンチセル（Thomas Antisell、1817年/1821年/1823年 - 1893年）は、明治時代にお雇い外国人として来日したアメリカ合衆国の化学者、鉱山技師である。近思録示蒙句解10冊中1冊欠　元禄14年序中川弥兵衛刊 江戸時代和本 朱熹・呂祖謙編纂「近思録」註解書 中国唐代思想 朱子学 　儒学　NB。1871年（明治4年）、日本政府の招聘により開拓使顧問のホーレス・ケプロン、医師のスチュアート・エルドリッジ、土木技術者のA・G・ワーフィールドと共に来日した。Q4-W5/27 特選神名牒　思文閣　内務省蔵版。ケプロンの助手となり道内における鉱山調査、ビールの原料であるホップを発見するといった農業に従事した。写本　傷寒薬品体用　川越正淑　江戸時代　漢方学 薬学薬理学 東洋医学　　江戸期古書和書古本 NM。のちケプロンに更迭されるが、これを再登用しようとした開拓使中判官の榎本武揚とケプロンは激しく対立した。『句双紙』（上下巻揃・合本全1冊）友松堂板 江戸時代和本 句雙紙。また、翌1872年（明治5年）に開拓使仮学校の教頭となり、化学及び地質学の教鞭を執る等教育関係の仕事や室蘭の開港に携わる等道内における文明開化に貢献した。大槻誠之 (大槻東陽) 『古今萬国綱鑑録』（全3冊揃）明治7年青山堂 中国で活躍したドイツ人宣教師カール・ギュツラフ原著 明治時代和本。1874年（明治7年）大蔵省に雇われ、1876年（明治9年）に帰国するまで紙幣用インクの製造及び研究に携わった。松平庄右衛門升信書簡　　森川内藏進・依田又八郎宛。出典：ウィキペディア